2025年に京大柔道部を卒業した柚木優里奈と申します。この度はこのような記事を書く機会をいただき、大変光栄です。5月30日、ポーランドで開催された世界エクイップベンチプレス選手権大会ジュニア部門に出場し、金メダルを獲得しました。

私のデビュー戦は、大学2回生の1月14日(日)、京都府クラシックベンチプレス大会です。みんなには内緒で出場したのに、柔道部の誰かがインターネットから探し出してバレました。その時から全日本を目指していましたが、学部の授業と柔道部の稽古で時間がとれず、京大の暑いジムでトレーニングをしていました。引退した後、大阪の弁天町にあるベンチプレス世界王者のジムに通い始めました。ちなみに、今も東京から週に1回程度通っています。
ベンチプレスのルールを簡単に説明すると、
- 3試技チャンスがあり、一番挙げた重量で順位が決まる。なお、前の試技より軽い重量はできないため、最初は確実な重量を狙うことが多い。
- 第3試技は重量変更が可能であり、相手の重量をみて自分の申請重量を変えることができる。
本当はもっと細かいので、ベンチプレッサーになりたい人はぜひルールブックを履修してほしいと思います。
ここからは、今回の試合をダイジェスト版でお届けします。体重管理から勝負が始まりました。52kg級の試合において、体重を落とさないために飛行機の中で苦手な機内食と無料のナッツをずっと食べていましたが、50.00kgまで落ちていました。第1試技は97.5kgで3位スタートでした。第2試技は105kgを挙げましたが、陪審の判定で失敗試技に覆されました。これまで積み重ねてきたフォームが2試技目では通用しなかったこと、そして体重をキープできなかったことが、私の不安を大きくしました。第3試技は悩みました。指導者には「105kgでもう一回!」と言われましたが、1位になりたかったので、自己ベストの107.5kgに挑戦させてもらいました。挙がれば優勝、失敗すれば3位というところです。(ちなみに105kgでは、2位は確定、相手が失敗すれば優勝でした。)
試合結果はこちらです。★が私の試技です。しっかりと決めきりました。

重量を決める時、柔道部で守り一辺倒の試合に後悔してきたことを思い出しました。挑戦せずに負けた後悔よりも、挑戦した上で届かなかった悔しさの方が、次の成長につながると思いました。そして、柔道部で学んだ強気で戦いにいく姿勢が、最後の1試技を選ぶ決断につながりました。
世界大会という、緊張が漂う独特の空気感は、その場に行かなければ体験できない貴重なものでした。話したこともないのに懸命に声を出して応援してくれる日本人、表彰式で流れた君が代、日本選手団が掲げてくれた日の丸、世界で戦うとはこういうことなんだと思いました。そして、ベンチプレスに真剣に向き合っている人たちと戦い、金メダルをとることができたのは、本当に嬉しいことでした。
みなさんも、ぜひ「私はこれなら誰にも負けない」というものを見つけてほしいと思います。それは必ずしも大きなことでなくていいと思います。世界で一番〇〇返しが得意、誰よりも横跳びがうまいなど、自分が大切に磨いてきたものは自信になり、自分を支えてくれる力になります。私にとってそれが、ベンチプレスでした。大切にしてきたものに誇りを持ち、「誰にも負けない」と言えるところまで磨き続ける過程こそが、自分自身を強くしてくれるのだと思います。
最後になりましたが、応援してくださった柔道部のみなさんには心から感謝しています。
応援してくれる仲間がいることのありがたさを改めて感じました。本当にありがとうございました。